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文学と樹木
会社のメインサイトである「木の情報発信基地」には木・樹木・木材に関するさまざまな情報をまとめていますが、今日は「文学と樹木」についてのコンテンツ紹介をさせて頂きます。
日本の文学小説の中に樹木や木製品が出てきます。例えば夏目漱石はどのような樹木を彼の小説の中にいれたのか、また漱石は何種類の樹木を取り入れたのか。森鴎外から始まり現在の作家まで、取り上げる樹種に何か傾向はあるのか。作家の中には樹木が好きな人もいるだろうし、興味のない人もいるでしょう。扱い方に違いはあるのか。
反対に樹木からの見方として、例えばクスノキはどんな小説の中に何回でてくるのか、そしてその表現方法はどのようなものなのか。一番扱われた樹木と扱われ方が少ない樹木との差は何か、などと考えていたら、FB担当者は興味がわきました。
そこで文学と樹木(木製品も含む)のデーターベースを作りました。方法は簡単でその小説を読み、樹木がでてきたら、その文章と樹木名をデーターベースに1行として登録するのです。
仕様は後述しますが、やっかいなことは、一小説づつ、自分で読まなければならないことです。これは時間がかかります。担当者はとても忙しく日中に読む時間などありません。
お風呂、トイレ、電車の中なとの時間を利用しますが、普段は電車にのらないので、進みません。それで会社への徒歩通勤の時に読むようになりました。片道約30分は読めます。帰りは懐中電灯を利用して読みました。
2007年から読み始め、現在82人の作家、1024小説をデーターベースに格納しました。
年々データーが保存されますので、大きな更新は2年回しました。今後もまだ読んでいないものを加えてゆきます。
現在ホームページで掲載しているものは、
全作家の取り上げた樹種(木製品含む)とその文章、樹種数、小説の中で取り上げた樹種(木製品含む)とその文章、全作家の好みの樹種を3位までの一覧、樹種ごとの取り上げた作家名、などです。
集計をしていると興味深いことがあります。例えば最も多くの樹種を取り上げた作家は誰かということです。真っ先に思い浮かぶのは宮沢賢治ですが、木材業界では昔から林芙美子の名前があがっています。「浮雲」に数多くの樹木がでてくるからです。
でも現在の集計では1位は宮沢賢治と島崎藤村が83種類で同率一位でした。ただ宮沢賢治は3つの全集をまだ読んでいないので、増える可能性があります。藤村が意外に多かったのに驚きました。以下、三島由紀夫(79種)、水上勉(75種)、芥川竜之介(74種)、宮尾登美子(73種)、林芙美子(73種)、高田宏(65種)、夏目漱石(59種)、幸田文(58種)、太宰治(57種)、谷崎潤一郎(57種)、松本清張(56種)、田山花袋(50種)、山崎豊子(48種)、川端康成(47種)、井伏鱒二(41種)、山本周五郎(40種)、森鴎外(38種)の順になります。高田宏と幸田文は共に「木」関係の著作があるのでそれが影響しています。
ぜひ一度チェックしてください。https://wood.co.jp/6-bunka/bungaku/index.html
現代では多くの作家が生まれていますので、すでにお亡くなりになった方を対象にしています。また2022年1月26日現在の仕様は(以下集計は国内作家で、存命の方は含めていません。)
データーベースはMicrosoft Access、レコード数29565レコード(箇所)、内樹木は11084箇所
公開ホームページページ数、1408頁、樹木総数375種です。書籍は基本的に新潮文庫を利用しています。
- 掲載日
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- 2022/1/26
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- https://www.facebook.com/wood1911/posts/6858309574244165