キットデッキの魅力分解≪作りやすさ≫
「束石は置くだけ」のお話です。
一般論としてウッドデッキを作るうえで、床板の水平を出すことが最も困難と前にお話ししましたが、
なぜ困難かというと床板の水平はそれをさえる束石の設置にあるからです。
束石の設置には困難で、プロでも難しい事です。しかしこれは誤った考え方で困難にしてしまっているのです。
束石は束を受けるものなので土台と同じ、土台は頑丈に作るものという考えです。
学習研究社は傘下のドーゥパとともに数多くのウッドデッキ書籍を刊行しウッドデッキの普及に貢献してこられた立派な出版社です。しかし日本のウッドデッキのパイオニアである当社から見れば誌面には不適切と思うところもあります。「素人が作るウッドデッキ」というよりも、「プロの作る作り方のウッデッキを素人に作ってもらう」というようになっています。
たとえば「手作りウッドデッキ入門 (1680円税別)」の36ページに
製作① Step1 基礎のページには、デッキの加重をしっかり受け止めるために、という見出しで
コンクリート基礎のイラスト例で砂利100ミリ、コンクリート100ミリ、そして束石、コンクリートをかぶせる、土を埋め戻すと4層の構造を説明しています。おまけに羽子板で束と連結するようになっています。
確かに住宅や、小屋などは基礎や土台をきっちり、頑丈に作らないといけません。しかし2階建てのデッキや重量級のパーゴラをつけたデッキでない限り、頑丈につくる必要はありません(≪構造編≫部材の束石について参照)。先の専門書にあるようなジャリ、コンクリートを使う必要はまったくありません。固定することは、製作時やその後のメンテナンスに支障ができます。むしろ取り外せる方、床板、大引き、束などと束石が分離している方がいいのです。