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木製人工衛星
当社ホームページでは木材の特長として18の項目を書いています。
1.安い 2.加工がしやすい 3.強度 4.軽い 5.視覚 6.断熱 7.衝撃 8.すべり、触覚 9.音響 10.殺菌作用 11.適度な温度 12.腐る・腐らない 13.燃える・燃えない 14.住特性 15.感性 16.環境負荷 17.資源枯渇 18.総合特性
https://wood.co.jp/10-chishiki/tokucho/
ここに新たに付け加えるのは木材は電磁波・地磁気を透(とう)すことができるというものです。
今話題の木製人工衛星の話で木材の特長の一つが増えました。ご説明します。
木製人工衛星は京都大学と住友林業の共同フロジェクトとして発表されています。
この背景には
宇宙飛行士の土井隆雄氏が2016年京大宇宙総合学研究ユニット特定教授に就任し、「宇宙における木材資源の実用性に関する基礎的研究」を立ち上げました。今、大学院総合生存学館で真空中での木材の物理特性や樹木の生育への影響となどの研究をしています。
一方住友林業では林業、住宅だけでなく、木の総合的な活用をめざし様々な研究開発のため筑波研究所を1991年に設立しました。創業350周年にあたる2041年に木造超高層建築物を計画中です。当然宇宙にも木の可能性を追求してゆく土壌があったわけです。
さて、木製人工衛星での木の特長とは、元宇宙飛行士の土井隆雄氏(現元京都大学教授で)は、「地球の大気圏に再突入するすべての人工衛星は燃えるとき、上層大気に何年も漂う小さな酸化アルミニウム粒子(アルミナ粒子)を発生させる。そのことをとても懸念している」と言っています。
このアルミナ粒子はそのまま大気圏に残るので地球の温度変化などに影響を与えます。
その点、木製人工衛星なら完全に燃え尽きますし、アルミナ粒子も発生しません。
また、木材は電磁波や地磁気を透過させるため、アンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、衛星構造を簡素化できます。
意外なところから木材の特長・特性が注目され始めました。当社ホームページも電磁波や地磁気を透過させる、燃え尽きで有害物質を出さないの2点を加えます。
ちやみに、このプロジェクトの直接の発案者は私の友人の京都大学の仲村教授です。また写真の木製人工衛星の木部の設計も彼が行いました。