当社、ウッドデッキの施工担当者が彼のブログで興味深い内容をUPしていましたのでここにも掲載します。
なお、オリジナナルブログ「ウッドデッキ倶楽部」はコチラです。
『安いウッドデッキとは? ウッドデッキ経済学その1 樹種選択編』
【問題】
デザインや大きさ、諸条件が概ね同じウッドデッキ工事の提案が3社からありました。
A社: ウリン使用 = 50万円
B社: セランガンバツ使用 = 45万円
C社: レッドシダー使用 = 40万円
さて、どのウッドデッキが一番安いでしょうか?
見積書の額面ではC社のレッドシダーが安いのは明らかです。
しかし、
あなたがどの程度の耐久性を求めているかにより、
答えは変わってきます。
パターン① 今の家は仮住まいで、5年後引っ越しする場合。
A社: ウリン使用 = 50万円
B社: セランガンバツ使用 = 45万円
C社: レッドシダー使用 = 40万円 +メンテナンス費用1万円×2回
= 42万円
レッドシダーは5年程度ならメンテナンス塗装をしなくても腐ることはありませんので、
色褪せが気にならなければ2万円も不要です。
5年もてばいいのなら、レッドシダーをおすすめします。
パターン② 10年後はライフスタイルも変わりリフォームを考えているかもしれない。
A社: ウリン使用 = 50万円
B社: セランガンバツ使用 = 45万円
C社: レッドシダー使用 = 40万円 +メンテナンス費用1万円×4回 = 44万円
10年なら、レッドシダーは2年に1度程度メンテナンス塗装して下さい。
湿気が多い、シロアリがいる等の環境要因や、植木鉢をデッキ上に置いたり、落ち葉や土が床板目地につまったままというような使用状況によっては、レッドシダーをはじめ、セランガンバツも腐朽している可能性もあります。
これは(別写真)施工後5年で腐ってしまったセランガンバツです。
今日はセランガンバツを貶めるのが目的ではないので、
興味のある方はこちら(セランガンバツの耐久性http://wooddeckblog.blog44.fc2.com/blog-entry-940.html)を見て下さい。
公平を期すために、当社施工のレッドシダーデッキも、施工条件が悪ければ4年で腐朽したこともあります。
話を戻します。
当社が経験してきた平均寿命内であると仮定して、10年の耐朽性を求められる場合も、まだレッドシダーがお得ですね。
ただし、レッドシダーとセランガンバツは、部分的に腐朽による補修が必要となるおそれがあることもお忘れなく。
パターン③ 建て替えるつもりはないので、できるだけ長く、20年以上もってほしい。
A社: ウリン使用 = 50万円
B社: セランガンバツ使用 = 45万円 + 解体撤去10万円 + 再施工費用45万円
= 100万円
C社: レッドシダー使用 = 40万円 + メンテナンス費用1万円×6回
+ 解体撤去10万円 + 再施工費用40万円
+ メンテナンス費用1万円×3回
= 99万円
答えが劇的に変わりましたね。
自社、他社を問わず、数多くの腐朽例を見てきた経験から、セランガンバツ、レッドシダーともに平均寿命は10~15年と考えます。
ウリンは当社で扱い始めてからまだ20年弱しか経過していませんが、いまだに腐朽例はありません。
ネットでは『100年もつ木』というワードがひとり歩きしていますが、経験上30年は大丈夫だろうと考えています。
ウッドデッキを立て直す場合は、新設費用に加えて、解体・処分費用がかかることを見落としがちです。
これが人工木材なら、処分費用はさらに上がります。
また、
今回はわかりやすいように再施工費を新設時と同じにしていますが、実際には20年も経過すると木材価格も上がります。
ちなみにウリンの価格は20年前より倍増しています。
ウッドデッキを末永く使用することを考えた場合、初期工事費用を10%や20を節約しても、20年後には200%のお金をつぎ込んでいることになるのです。
比較見積もりで安さを重視される場合、ウッドデッキの耐用年数がどの程度必要かを必ず考えて下さい。
木製エクステリアの本当の品質がわかるのは、それが腐ったときです。
目先の数字にとらわれると、十数年後に時限爆弾が爆発することになりますよ。
ということで、
今回はあくまでも樹種による耐朽性とコストパフォーマンスについての経済学でした。
次回は、設計による耐朽性とコストパフォーマンスについての経済学でお会いしましょう。