昨日USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の会場内を半日歩ききました。
開園から19年近くになるので、木材の劣化や腐れの進行がどのようなものか見て回りました。
ウッドデッキや木塀には風格がでてきています。また相当数の杭丸太が使われていますが、さすが米国で防腐注入してきただけあって、びくともしていません。日本の防腐工場では注入量が少なく、効果を心配したためです。
材はサザンイエローパインですから、木自体は腐りやすい木なのですが、防腐加工をすると高耐久のある木にかわります。
USJは経営主体が代わり、担当役員、技術スタップも何度も変わっているので、施設の考えも開園当初のコンセプトと大きく変わってきているのは残念です。特に木に対する考えが180度変わりました。
「本物感、感性、あたたかさ、やさしさ」から「勘弁、均一、簡単、本物らしい」になったのです。「安全」という考えは従来も現在もあります。別の言い方をすれば施設に関してはディズニーと同じ考えに変わったのです。
以前のUSJなら大人でも納得の景観、ディズニーは大人はごまかせても子供が気がつかなかったらいい、というものです。
顕著な例はラグーン(湖)周辺のボードウォークにプラスチック感ありありの人工木材が設置されていたことです。ここのコンセプトは「この施設の時代は100年前で、すでに50年経過している木材を表現すること」というのが当初の最も大事なテーマでした。ですからここを歩くとアメリカの百年前を想像できたのです。プラスチック感のあるデッキ上を歩いても普通の遊園地を歩いているようで、普通の感性のある大人なら違和感があります。夢の世界にいるのにここで急に現実に引き戻されます。
でも映画やハリウッドファンなら、日本で最も貴重なパークであることは間違いないことです。
写真はオープン当初と現在のものをUPしました。昨日撮ったものは、開園一年前に施工していますから、20年経過の写真です。