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クレオソート
今日は木材の勉強シリーズです。
最も強力なクレオソートの話です。
当社のように屋外の木製施設を設計施工する業者が「防腐 処理」と言う場合、防腐剤の塗布のことではありません。
防腐剤の塗布では、木製の耐久性を1年アップするか2年 アップする程度のことですので、
防腐処理と言う場合はJIS・JASで規程されている加 圧防腐処理のことを意味します。
加圧防腐処理は薬剤の種類や成分濃度や薬剤の浸透具合に よっていくつかに分類されますが、
現在、日本で最も耐久性のある加圧防腐処理は、クレオソ ートと言う薬剤で加圧防腐注入する方法です。
この薬剤で処理された代表的なものは電柱と鉄道の枕木で す。
現在枕木はコンクリート製が一般的です。
私鉄やJRなどの先頭車両に乗って運転台後ろから前方景 色を見ていますと、当然線路と枕木が飛んで迫ってきます 。よく注意していると、ほとんどのところでコンクリート 枕木ですが、線路分岐、踏切、鉄橋など特殊なところで未 だに木製の枕木が使われていますね。これは強度と軽さの 両方が必要な場合、規制のコンクリート製では対応しきれ ない形状の場合などです。
そして、枕木が20年~30年使われたものが中古枕木と して、さらに10年、20年と再利用されますので、いか に耐久性があるかがお分かりいただけるかと思います。
この中古枕木、何とも風格があって、根強い人気があった のですが、10数年前に、薬剤成分の問題で、一般の人に は販売してはいけない法律ができましたので、(プロの業 者には従来どおり販売流通しています)
今は、クレオソート加圧注入処理材は一般の住宅周辺には 使われることがなくなりました。