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人工木材の欠点
人工木材(合成木材・樹脂木材)の欠点
UPした写真は弊社が15年前に施工した公共の物件のデッキです。
歩道と建物との間の設置のウッドデッキですが、この商品はアメリカ製です。
アメリカではこのようなグレーの色が好まれるのですが、日本ではあまりグレー色は使われません。
もともと木は色あせるとグレーになるので最初からグレー色を選ぶと退色も少ないと言うことになります。
建物の石造りとマッチして15年経過してもなかなか良い色です。
日本製の人工木材であれば、中が空洞になっていますので、このようなところで15年もたてば、まず傘の先で突いてできた穴があちこちに空いていたり、デッキの端が衝撃で割れてしまっていたりするのですが、アメリカ製のこのデッキは木材と同じような使い方ができるように費用は高いですが、中まで完全に詰まっています。
そのため、人工木材を公共の場所で使う時におきる破損は全くありません。
しかし、ここで問題が発生しました。
この写真をよく見て頂くと、根太と根太の間が垂れていることが分かります。
これは人工木材を使う限り必ず発生する現象です。(以前にUPした別の現場の写真もそうでしたね)
つまり木材であれば繊維があるので、荷重がかかっても、元に戻りますが、
人工木材は荷重がかかっていると、その部分が曲がって垂れてきます。
そのため、床板を固定している根太の部分が引っ張られてひび割れが発生しました。
さらにこの人工木材は日本製に比べると樹脂が柔らかく割れにくい方なのですが、それでもビスの周りは昼夜の温度差と季節の温度差で床板が膨張収縮を繰り返し、ビスの周りかひび割れを起こしています。
かくてこのデッキは安全を優先して15年でウリン材に変更することになりました。
人工木材の色褪せが少ないと言うのは良いところなのですが(特にグレー色の場合)、
このような欠点があると、結果的に30年以上の耐久性のあるウリンのようなハードウッドの方がベターと言うことになります。
さらにこの人工木材を解体した場合、木材のような燃やすことができないので、産業廃棄物扱いとなり、処理費用は高額になります。
公共物件の場合、中が空洞の人工木材は強度的に不安で、中が詰まっているソリッドタイプなら大丈夫と思ったのですが、15年で取り換える必要が出てきたと言うことは、やはり人工木材は無理があります。