ウッドデッキ用木材の耐久性について
木材の耐久性を確認するためには屋外に設置すれば誰でも分かりますが、結果が出るのが数年~30年先になってしまいます。
そのため、試験室で結果が出るようにしたのがJISで規定されている腐朽促進試験です。
木材のピースをガラス瓶の中に腐朽菌と一緒に入れて、恒温室に数か月入れた後、木材の質量の減少率を計測すると言う方法です。
当社では新しい材種を商品に加える場合は、これまでの材料も含めて、この試験をするようにしています。
ただ試験費用が数十万円かかるのが痛いところです。
この試験から分かることは次のとおりです。
ウリン、合成木材(人工木材)、イペ、アマゾンジャラ等の、以前から屋外での耐久性が高いと言われている木材は2つの腐朽菌のどちらの場合でも高い耐久性があります。
以前からハードウッドの中では耐久性がないと言われているセランガンバツは、やはり、屋外のデッキに使えるような材料ではないと言うことが試験上はっきりしました。
一般的に腐らないと言われている合成木材よりもウリンの方が耐久性が高く(合成木材も半分は木ですからやはり腐ります)、また、合成木材(人工木材)はイペやアマゾンジャラと比べても、特に高いと言うレベルではないことが分かりました。
耐久性が非常に高いと言う人と、いやそれほど高くないと言う人に分かれていたレッドシダーと加圧防腐処理木材については、2種類の腐朽菌では全く違う結果となりました。
つまり、腐朽菌の内、乾いた環境で腐朽をもたらすオオウズラタケの場合はレッドシダーは抜群の耐久性を示し、反対に加圧防腐処理木材は良い結果ではありません。
しかし、湿った環境で腐朽をもたらすカワラタケの場合は加圧防腐処理木材は抜群の耐久性となり、レッドシダーは良い結果ではありません(それでも国産の桧よりも上ですが)。
しかし人工木材の耐久性がウリンやイペ並み程度で、設置された状況が南側の乾燥した場所であれば、かえって耐久性が低いので、色あせよりも耐久性を重視する官公庁の物件に関しては、考えを変える必要があります。