ときおりお客様からウッドデッキリフォームの相談を受けます。
ウッドデッキは日本でもっとも早くから仕事をしてきましたので、
それなりのノウハウを持っていますが、他の会社では知識のないまま
仕事をしている場合が多々あります。
今日ご紹介するのはそのような話です。
担当者ブログから転機しました。
木製バルコニーが腐ってしまったので、改修工事の見積もりをしてほしい。
お電話を頂き、光景が目に浮かびました。
当社から15分ほどのところだったのでお伺いすると、この光景です。
当社では手の施しようがありません。
建築の構造と直接接合し、バルコニーデッキの構造施工後に建築の壁を仕上げています。
構造材はおそらくベイマツ。
大断面材が入手しやすいというだけで、耐久性はありません。
すでに歩けない状態・・・。
バルコニーを撤去しても、壁面を防水し復旧しなくてはなりません。
こんな一部分だけ補修しても、継ぎ目から雨水が侵入する恐れがあります。
腐朽が建築構造まで及んでしまっている可能性もあります。
それどころか、
このバルコニーの上に建築の屋根を支える柱が立っています。
これでは容易に解体すら出来ません。
これはもう外構工事の範疇を超えています。
建築業者、リフォーム業者でも、
かなりの技術と経験を要し、
かつ、ウッドエクステリアの知識が豊富な業者でなければ、まともな仕事は出来ません。
目先の補修だけを考えていると、数年後にまた時限爆弾が爆発することになります。
窓枠やポーチ柱にも無垢材を使用しているような洒落た建築ですが、屋外での木材の使用方法をわかっていなかったのでしょう。
お客様のはこのようなことをすべてお話しして失礼させていただきました。
一般の方には使い勝手とデザインは判断できますが、10年後どうなるかなどはなかなか想像出来ません。
建築業者も決して騙すつもりはなく、ただ知識がなかっただけだとは思うのですが、
このようになってしまっては、無知は罪です。
いくら「『高い!」と言われようとも、『安かろう、悪かろう』の仕事は決してやるまいと改めて肝に命じました。
ウッドエクステリアは経年変化します。
たとえウリンであっても、絶対に腐らないとは考えておりません。
そのような事態に直面したとき、補修、交換等の対処ができるか?
解体撤去となっても、その時期が想定期間を超えることができるかどうか?
そのような、図面や見積書に表れない部分が非常に重要な仕事だと思っています。