曳野市K邸カーポートデッキをご紹介致します。
今回のお客様は担当者のブログを見て、同じようにして欲しいと発注即決された話です。
ブログからの問い合せがあり、担当者が打ち合わせにお伺いすると、パソコンで担当者ブログ「ウッドデッキ倶楽部」の他の施工例もを見ながら、「これ、うちもこんな風にしましょう。」
と言われました。ブロクはかなり詳しくご覧頂いていたようです。
ベランダ壁面の開口部分をカットして出入りするようにデッキを設定します。
デッキ自体は開口部の向かって左端から右端の隣地境界まででいいのですが、柱は敷地の両端に立てて欲しいとのご要望です。
カーポートデッキは通常でも柱間に補強が入れられないので多少の揺れが生じるのですが、
この現場の場合は柱間が10mなり、しかも二階ベランダまで高さを上げなければいけないので、
揺れが大きくなってしまいます。
せめて車3台分の幅までに抑えさせて頂くようなご提案もしましたが、ご使用環境などを考慮し、間口10mを実現させることとなりました。
基礎や鉄骨はいつもより重厚なものとなっております。
家の表情がすっかり変わりました。
ウッドデッキ部分の大きさは幅4800mm×奥行き5250mm、
フロアレベルは地面から3.5mになっております。
なんと言っても今回最大のポイントはこの梁ですね。柱間10m!
車3台分の駐車スペースと玄関アプローチ分の幅です。
鉄骨が組みあがった状態では結構揺れ、施主さまからも不安の声が上がりましたが、ウッドデッキ部分が組みあがることによって平面的に剛性が高まるので、完成時には安心されていました。
建物側の柱は駐車に関係ないため、ウッドデッキ端部に立てています。
ただ、真下に配管があったため、ご覧のような複雑な構造になりました。
手前に出すことが出来れば簡単なのですが、今度は車庫入れ時に追突してしまいますので。
鉄骨で鳥居を組んでから本来のカーポートデッキ構造を乗せるという形です。
単純に見えますが、屋根の納まりや重量など、いろんな要素を考慮しなければなりません。
鳥居の右側がウッドデッキから少し出ています。理由は二つ。
まずね柱は出来るだけ端に寄せた方が駐車しやすいのですが、ウリンのタンニンが隣地に流出するとご迷惑をおかけしますので、
あえて控えています。
そしてもうひとつ担当者のこだわりが。
鳥居の右側に偏った構造となっていますので、不安定なイメージを与えます。
鳥居がウッドデッキを貫くことにより、デッキがしっかり鳥居の上に乗っているという安心感を表現しました。
これがなかったら、右側にコロンと落ちてしまいそう。
車が1台増えました。余裕の駐車スペースです。
天井に吊り下げ式の収納を造りたいとのことで、目隠しのための板張りです。
もちろん雨どいも完備しています。
下の通路の邪魔にならないよう、建築の縦どいにつなげています。
屋根、雨どい工事は専門の板金職人の手で施工しておりますので、このようなことはお手のもの。
基礎工事は掘削時に既存タイルを丁寧に外し、埋め戻し時にタイルも復旧しました。
こちらも専門の左官職人のなしえる技です。
奥様が感動していらっしゃいました。
今回は基礎4箇所中3箇所で掘削時に配管が現れ、設計変更や特殊加工など苦労しました。
デッキ材はウリンを使用しています。
ベランダ開口部分に高さをあわせています。
施主さまはリフォーム会社を営まれており、壁の処理は施主さまで段取りしていただけました。
横幅の方が狭く、床板は横張りにしています。
既成サイズのウリン床板から間反りの少ない物を選んで製材し、電動カンナで反り修正と直角を出し、プレナーという設備で一定寸法に仕上げ、トリマという機械で1本ずつ面取りをしてやっとルーバー部材が完成。
ルーハーが1本ずつはまるよう溝をしゃくった枠を作り、ルーバーを組み込んでビス止めしてパネルを製作するという、手間の固まりの仕様です。
この手間を評価していただける施主さまでなければ、簡単にご提案できません。
加えて手摺柱はいつものようにスチール支柱を木材デラッピングしています。
これも支柱にあわせて硬いウリンに溝をしゃくり支柱との取り付け強度を高めるという、隠れた部分での並々ならぬ努力があるのです。
手摺に関してはもう一つ見どころがあります。
一箇所開閉できるようにしています。
過去の施工例をご覧になってのご要望です。
デッキ部分の面積が増えると、桁が大きさや屋根の勾配の関係で、ハナカクシの高さも大きくなってきます。
幅広の板があまり並ぶと重苦しくなってしまうので、細い材を挟んで緩和しています。
ウォールフェンスやデッキ手摺のランダムボーダータイプは、こんなカーポートデッキのハナカクシについての発想から始まりました。
全面にウッドデッキを広げないことにより、一階リビングへの日差しが確保されています。
ウッドデッキの乗っていない鉄骨梁は、エントランスゲート的な存在感も表現しています。
ここは真正面にPLの花火が見えるそうです。
これだけの広さのウツドデッキがあれば、たくさんのお客様をご招待できますね。