当社の屋外施設事業部が運営しています。この部門に2つの事業があり、当社の企画設計施工部門と規格商品部門です。規格商品とは当社で開発したお客様が組み立てる商品、つまりキット商品のことです。主にウッドデッキや手すり、目隠しフェンスやフリーフェンスなどを開発し、インターネットで販売しております。
ウッドデッキやフェンスなどは、開発過程でよい部品が市場にない場合、当社で開発しました。それらも販売しております。基本的には楽天、ヤフー、オンラインショップですが、一部アマゾンでも販売しています。また販売先は原則として直接販売ですが、一部の商品は他店さまへ供給や、メーカーにOEM販売をしております。
ウッドデッキという言葉は社長の中川がこの部門を創設した時に考えました。「ウッドクラフト」とともに特許庁に商標登録を申請しましたが、却下されました。理由は「ウッド」と「クラフト」は一般普通名詞をつなぎ合わせたものだから、というものでした。そのため「キットデッキ」という名称を申請しましたところ、許可され現在でも登録商標として利用しています。組み立てのキットですが、「きっと出来る」という意味もありました。というのはウッドデッキのような大型商品を本当にDIY未経験の人に出来るのかという声が多かったからです。
最初にコンセプトを作りました。素人の人、DIY未経験の人、女性、年配の人などでも、確実に完成することができ、完成したものはプロが製作したものより、美しいデザインと強度を持つもので、耐久性があるもの。というのがコンセプトです。これは現在のものでも変わっていません。ウッドデッキが日本で流行しだしてから、中国製の安価な商品がでてきました。本来のウッドデッキの定義から外れますが、簡単に作れそうで、価格も安いためホームセンターやネットなどでよく売れました。実物を見くらべると本来のウッドデッキとは異なります。このようにウッドデッキの定義にかなった商品としては日本で最も売れているものといえます。
当社が製造、販売するキットデッキはお客様の満足度が非常に高い商品です。 購入されたお客様の製作事例を受け付けていますが、すべて原文のまま、複数の写真とともにホームページに掲載しております。お客様の体験談というような形になってきました。購入されるお客様はほとんどが、先輩方のこの体験談を読んで、自分で作ることを決断される方が多いです。男女ともお客様の共通点は
1.始めは大変心配したが、問題なく完成した。2.完成すると家族や友人から尊敬されるようになった。3.よくできたキットだ。などです。ぜひ2~3人の方々だけでも読んで下さい。
中川藤一前社長は、三重大学や林野庁などで講師を務め、常に木材業界の先を見据えていました。昭和50年(1975年)に「これからは間伐材の時代だ」との考えを抱き、翌年から社内に商品開発を指示しました。ちょうどその頃、フィールドアスレチックと呼ばれる丸太を利用した複数の遊具の仕事を独占的に受注できたことから、屋外での木材利用のノウハウも充実させることができました。
工業デザインの専門家との2年契約により、さまざまな間伐材利用のインテリアやエクステリア商品を製作し、昭和55年の大阪国際見本市に出展し、翌57年にも展示し、広く社会にアピールしました。また、高知県のマルボグループと協力して商品開発を行い、ニチメンと京セラとの共同開発商品や、1100人からの木のイメージ調査など、マスコミで注目される話題が数多くありました。
多額の予算をかけた間伐材の開発はすべて失敗に終わりました。商品コンセプトが先行しすぎていたのです。ただし、その中で唯一大きな成果を上げたのは、屋外での木材の性質、利用方法、経年変化などに関するノウハウを蓄積できたことでした。通常、木材は住宅内で使用され、屋外では使用されません。そのため、多くの木材会社は屋外での木材利用の経験がありませんでした。当社は、日本国内で最も屋外での木材利用の経験を積んだ会社となったのでした。。
これらの経験は、屋外施設事業部の施工やキット商品においても大いに役立ちます。特にウッドデッキについては、先行の大きな失敗があったからこそ、施工やキット商品のデザインや耐久性が向上し、お客様から高い評価を得ることができました。