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コンピューターの導入

1978年  コンピューターの導入につき、一年間のプロジエクト委員会を構成。これは1泊2日( 53.7/22-7/23)の合宿時のとき。クーラーはない時代。電電公社のDRESSシステムは1年間の準備期間のあと本稼動した。今考えてもすばらしいシステムであった。のちにニチメンからシステムをオフコン用に販売したいと申し出あり、ビジネスに向けて動き出したがオフコンのメモリ不足で実現できなかった。また当時としては費用は相当の価格で、月々80万円からのスタートしたレンタル料金であった。多い時は100万を超えた時もあった。当社の電算システムは電電公社の後、大阪商会/NECを2世代へて、パソコンの市版ソフトである「弥生」になってゆく。

休日返上での勉強会、クラーがない時代
中川藤一前社長も率先参加
電電公社システムさん孔テープを理由してデーター入力
中川木材産業のシステム20個コマンドも用意され、使いやすかった
dressシステムA4版5センチほどの仕様書 1年間かかり昭和53年に完成
システム中川木材産業設置されたA100端末、ディスプレイはなし

最初の電算機端末 100A

写真右下の端末はディスプレイなし、漢字なし、紙テープに穴をあけて入力する、テレツクスと同じと思えばよい。朝8時から夜8時までの時間制限がありました。

コンピューターの導入 大型電算機>オフコン>パソコンの局面

web担当の私は大学で初めてコンピュータの講座を受講した際、「0」や「1」、2進法の話を聞き、これは私には理解できないと感じて講座をやめてしまいました。それ以降、コンピュータは難しく理解しがたいものと信じていました。

ところが、前社長の中川藤一が1978年に当社にコンピュータを導入することを宣言し、準備委員会を設置し、私に委員長を任命しました。1泊2日の合宿も行いました。当時はエアコンがない時代で、下着のシャツ姿で学習していました。

主要な問題は「単位の統一」、「丸太の価値の変化」、「見積作成」の3つでした。

単位については、当時のビジネスの仕入れと売り上げの単位は以下のように異なっていました。

1.立方メートル単位で仕入れ、平方メートル単位で販売
2.立方メートルで仕入れ、立方メートルで販売
3.立方メートルで仕入れ、1本単位で販売
4.平方メートルで仕入れ、平方メートル単位で販売
5.坪で仕入れ、坪で販売
6.坪で仕入れ、平方メートルで販売
7.坪で仕入れ、1本単位で販売
8.1本単位で仕入れ、1本単位で販売
対応策として、1つの商品に2つの単位を持たせ、自動換算を行うことにしました。

丸太については、一般的に長いものがより価値があるとされますが、多くの例外があります。そしてその例外が利益につながることがあります。例えば、4mの丸太を2000円で販売する代わりに、1.2mに切断して販売すると1500円、残り0.8mの丸太を900円で販売すれば、合計2400円の収入となり、より利益が出ます。しかし、この切断にはコストがかかり、またその時の相場によっては切った残りの丸太に価値がなくなることもあります。そのため、2本に分けることで原価が変動する可能性があります。

対応策として、「振替」という入力処理を追加し、税務署はこの処理を理解するのに苦労しました。

見積処理については、住宅団地などで一度に大量の納材が行われる場合、契約時と納材完了時の3〜6か月の時間差があります。また木材には必ず相場があり、種類によってその変動の度合いは異なります。6か月の間に相場が複雑に変動するため、正確な利益が分からなくなることがあります。また追加材も必ず発生し、これにより原価率も変化します。見積もり時の利益金額と納材、追加を含めた完了時の利益金額が大きく異なることがあります。この問題を担当した結果、住宅納材の利益が詳細に設定されると6種類の利益があることが判明しました。手作業では2種類の金額しか計算できませんが、電算機があれば瞬時に6種類の利益金額(または利益率)を算出できます。また当社の見積システムは、一度に大量の納材が行われる際に、事前に作成した見積を利用して伝票発行を簡単にすることができます。

これら3つの新しい画期的な作業が、簡単なルール作りによって可能になりました。特に見積システムは作業量が十分の一に削減された感覚がありました。システム作りでは、私たちが問題点を掘り起こして協議する中で、2人のNTT担当者が電算機に適したシステムを提案し、1年でまとめ上げました。仕様書はA4サイズで5〜6センチの厚さになりました。

当社には2人の担当者に加え、さらに2人のエンジニアが付き、4人で1年間の体制を整えました。稼働直後から優れた成果を発揮しました。バグや設計ミスも一度も発生しませんでした。(後のNECオフコンでは無数のバグがあり、設計ミスも多く、集計結果も最後まで合いませんでした)

結果的に大満足でしたが、4つの不満が残りました。

1.朝8時から夜8時までの時間制限
2.漢字が使えない
3.ディスプレイが使えない
4.費用が高い(月額70~100万円)
何年か利用していく中で、オフコンの進歩は著しく、上記の1から3の問題はDRESSシステムを利用している限り解決できず、悩みました。

そのような時に会計検査院が電電公社に調査に入り、ユーザーへの請求金額が安すぎるとして、値上げと過去の分も遡って請求するよう指示されました。すぐに当社にも連絡が来て、値上げと過去の値上げ分の請求を受けることになりました。当社では道義的にも法律的にも理解できないため、大塚商会のNECオフコンに乗り換えることにしました。

あらたな電算機NECオフィスプロセッサ3100シリーズ

大塚商会に仕様書を渡し、同じシステムの開発を依頼しました。驚くべきことに3か月で完成させ、大塚商会の高い能力に驚かされました。しかし、稼働してみるとバグが多発しました。売り上げ伝票は入力後15秒経たないと印字されなかったり、月の管理資料の数値が合わなかったり、足し算の箇所で引き算をしていたりしました。さらに、コマンド命令で在庫金額の計算式を実行しても結果が出るまで約90分もかかっていました。DRESSシステムでは1秒ほどだったのですが。
夢の新シリーズに切り替えを試みたものの、バグやシステム不良は最後まで解消されませんでした。

途中、新発売の新たなオフコンにシステムを写し変えて利用していましたが、リース切れになり、部品がなくなると言われ、新シリーズの見積もりを取ったところ数千万もかかると判明しました。それまでに2つのパソコン用販売管理ソフトを利用した経験があり、日本で広く使われている販売管理ソフトを利用することにしました。

パソコンのソフトで大丈夫か


数千万が5万(弥生販売)になるのですから圧倒的に費用は安いです。問題は最初に述べたのように複雑な計算方法がどの程度できるのかどうかということです。
それで発想を変えて弥生販売のシステムに、会社業務を合わせることにしました。住宅の多量納材のビジネスは当社では終了していましたし、単位と丸太の問題もシンプルに割り切り、大きな問題もなく移行することができました。

この時の経験から考え方を変えれば、困難な問題も従来と同じ結果を出せることがわかりました。「最低の費用で最大の効果をだす」というのが当社のIT関係の基本姿勢となっています。

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