自然木と人工木材の違い

人工木材、樹脂木の欠点

「樹脂木(じゅしもく)」、「合成木材(ごうせい)」、「再生木(さいせいぼく)」などと呼ばれる「人工木材(じんこう)」は、自然の木に似せてつくられた工業製品です。プラスチック系材料と木粉をまぜたものがほとんどです。当社ではエクステリアに適した天然木材を個人邸や店舗工事、大型工事、公共工事などで使用しています。大型工事や公共工事では人工木材を利用する場合もあります。人工木材を利用した施工経験年数は30年以上あり、ウッドデッキ業者の中では最も長いと思います。

どちらの材料も利用しているからこそ各々の長所欠点がわかります。

人工木材の長所としてメーカーが宣伝しているのは

  1. 腐らない
  2. メンテナンスがいらない
  3. ささくれひび割れがない

この3点を強調しています。

しかしこの長所については間違いがあり、さらに人工木材について記載されていない欠点があります。
下記が本来の正しい人工木材の長所欠点となります。

1. 人工木材は腐りにくいが、腐らないわけではない

人工木材は腐りにくいが、腐ります。また天然木材のウリン材のほうが腐れに強い、耐久性があるという結果が、京都大学木質科学研究所(現 京都大学生存圏研究所)にて3回行った腐朽促進試験の結果から判明しました。写真は今村教授の研究より。 一般的に人工木材はポリプロピレンやポリエチレン樹脂を木粉を50%::50%程度の割合で混合しております。しかし木材の中の木粉の部分は腐りますし、シロアリにも侵されますが、このことはあまり一般的には公表されていません。 これは人工木材に混ぜる木粉の材種に問題があるからです。重量の問題や経年変化によるシミの問題などから、現在販売されている人工木材に混ぜられている木粉の材種はエクステリアに適したものでないということです。 

京都大学木質科学研究所(現 京都大学生存圏研究所)にて3回行った腐朽促進試験の結果から判明しました。写真は今村教授の研究より。

2. 人工木材はメンテナンスはいらないが、汚れは付く

人工木材は塗装する必要がありません。しかし、塗装する必要がないということで、ノーメンテナンスというのであれば、天然木のハードウッド(ウリン・アマゾンジャラ)もノーメンテナンスです。 もちろん経年変化で木材が色あせますが、自然の風格ある雰囲気を作り出してくれます。
木材は静電気を発生させませんが、人工木材の場合、静電気を発生させます。つまり、静電気による汚れの付着がおき、全体的にプラスチック独特の古ぼけた汚さが出てきます。
また、人工木材は完全なプラスチックではなく、半分が木粉ですので、多孔質となり、水分を吸収します。ということは、ジュースなどをこぼすとそれがデッキの中にしみを作ります。一度ついたシミは取れません。
また日陰の部分はこの多孔質のところにカビが生えさらに汚くなります。
このため、数年経過したメンテナンスをしていないハードウッドのデッキと人工木材のデッキを比較すると
色あせてはいるもののハードウッドの方が良いと言う評価になります。

3. ささくれやひび割れはないが、膨張収縮によるひずみが発生する

天然の木材でささくれやひび割れが発生するのは、木材が幅方向や厚み方向に膨張収縮するからです。人工木材は、この幅と厚みの膨張収縮が木材よりも少ないために、また空洞になっているため、表面と内部とで膨張率が異なることがなく、ひび割れが発生しません。 しかし、人工木材は半分がプラスチックのため、同じ比率で長さ方向も膨張収縮します。そのため予期しないひずみなどが発生したり、長さ方向のジョイント部分には危険なくらいの隙間ができます。

人工木材にするか天然木にするかを迷っているお客様にご理解いただきたいのは、天然の木材の場合、耐久性には3年で腐朽するもの(ホームセンターで販売しているSPF材やホワイトウッド)から30年以上の耐久性のあるウリン材まで、材種によって性質が変わります。それぞれの特長を理解していただく必要があります。人工木材の場合は、腐るかどうかについてはどのメーカーの商品もほぼ同じで、そこそこの耐久性がありますが、実際にはいろいろの欠点があり、数年で取り換える必要が出てくる場合もあると言うのが事実です。

  • 人工木材の欠点 隙間
  • 人工木材の欠点

人工木材は表面が高温になりやすい

また、夏には人工木材は表面が高温になり、素足ではヤケド被害がでるのはすでに多くの人の指摘があるとおりです。

このような欠点の例として、大阪市内の某大手新聞社の立て替えビルの屋上デッキは、伸び縮みが激しく、床板が危険な状態になったので数年ですべて撤去してやり替えることになりました。

天然木は再生可能、人工木材は産業廃棄物

さらに、エコだと言われている人工木材ですが、何年かして解体してそれをそれぞれの自治体に持ち込むと、受け付け拒否となり、産業廃棄物として処理しなければなりません。これに対してムク材の場合は、解体した業者がチップとしても再処理でき、お客様が自治体のクリーンセンターに持ち込んでも焼却可能な一般ゴミとして引き取りが可能です。つまり、人工木材は解体時に想定外の費用がかかり、本来のコストはもっと高いということになります。
結局人工木材は半分がプラスチックであるがために、地球環境の破壊につながり、完全なプラスチックのように再利用することもできず、エコな材料ではありません。

これに対して天然木は、伐採量以上の植林がされているため、使えば使うほど、炭酸ガスを吸収し真にエコな材料です。

お客さまの体験談・施工事例

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