前回文学と樹木のお話をしましたが、今日の産経新聞に昨年末取材を受けた記事がでました。クスノキに関してです。昨年夏の朝日新聞の記事もクスノキに関するものでした。やはりFB担当者はクスノキとは因縁があるようです。
ちなみにクスノキの人気はサクラやマツなどから比べると低く20位です。作家別では高田宏:24箇所、川端康成:23箇所、幸田文:13箇所、松本清張:11箇所、水上勉:6箇所、島崎藤村:5箇所、井伏鱒二:4箇所、以下略。
またクスを次のように表現しています。
●倉田百三の「出家とその弟子」
あの夕陽があの楠の樹の蔭になるまで。私は帰しませんよ。
●川端康成の「古都」
じいっと、ながめていると、大楠の枝の、ふしぎな曲がり方に、のびひろがり、そして、交わった姿には、なにか不気味な力がこもっているようでもある。
●林芙美子の「浮雲」
都心の街路には、樟の木の並木が鮮かで、朝のかあつと照りつける陽射しのなかに、金色の粉を噴いて若芽を萌きざしていた。
●三島由紀夫の「金閣寺」
楠のさやぐ葉影は、彼のいつもながら憔悴した頬を彩って、そこに奇妙な躍動する影を与えた。
-以下省略-