ワイヤーの出貌
ワイヤーロープが出回るようになると縦道ではよく利用した。
下りの
場合、細いワイヤーの端を坂の上に固定しておき、図のようにそれに沿
って下っていく。
木馬の梶棒にワイヤーを巻きつけて加減しながら進む
が、傾斜によって巻きづけ方を増していく。
長い縦道ではワイヤーを二本、三本次々に引っ張っておいて順次、
架け替えながら下る。
このようなことから木馬作業もかなり楽にはなった
が、それでもやはり危険な仕事には変わりなかった。
もちろん木炭の運搬も木馬で行った。
私自身、作業光景は懐かしいか
ぎりであるが、世の移り変わりとともに知る人もいなくなり、近い将来
すっかり忘れさられてしまうのだろう。
ちなみに集材した木炭材を釜場(炭焼き場)に運ぶ場合、短距離で
はあるが、小さな木馬を使用した。
現在でも使用されているだろう。