鳶と鶴
鳶(とび 鳶口)の使い方には、握り引き、抱え
引き、巻き腕などがある。
巻き腕とは、片手
を柄に巻いて引くことをいう。
この手法を使
うのは特別なカを必要とするときだけで、あ
まり使われない。
またできる者も多くない。
打つ順序に従って一番鳶、二番鳶、三番鳶
とよぶ。
一番鳶を打つ場合、頭圏(とうけん 材木の切り口)
から六寸(紛18センチ)ほどなかに
打つのが鉄則。
でないと引っ張ったときに
自分の足元に頭圏を引きつけて危険だから
である。
また張り鳶、逆太(さかた)鳶などがあり、材木の
頭圏を上げるときに用いる。
二番、三番の鳶が
引っ張ると材木の先が小高いところに上る。
鶴(鶴嘴)は、とくに太い材木を扱うとき
に用い、鳶以上にいろんな使い方がある。
そ
のなかで最もよく使われるのが差し鶴である。
図のように身体を一挙に鶴に委ねてひねると
材木が前進する。
その距離は平坦地で10~
15センチ、相当に根気を要する作業である。
他に引き鶴、受け鶴、拝み鶴などがある。