この小説には樹木は出現しません

夢野久作の小説「死語の恋」に出てくる樹木、木製品

この小説の初出は1928年、文庫本におけるページ数は33ページ

ページ	元樹種	掲載樹種	掲載言葉
13	森	森	ドウスゴイ附近の原ッパの真中に在る一ツの森から、南へ僅わずか十二露里約三里）の所に在る日本軍の前哨まで、
27	濶葉樹	濶葉樹	コンモリとしたまん丸い濶葉樹の森林が、ちょうどクライフスキーの町の離れ島のようになって、
27	森林	森林	コンモリとしたまん丸い濶葉樹の森林が、ちょうどクライフスキーの町の離れ島のようになって、
27	森林	森林	この辺の森林という森林は大抵鉄道用に伐きってしまってあるのに、この森だけが取り残されているのは不思議といえば不思議でしたが……
27	森林	森林	この辺の森林という森林は大抵鉄道用に伐きってしまってあるのに、この森だけが取り残されているのは不思議といえば不思議でしたが……
27	森	森	この辺の森林という森林は大抵鉄道用に伐きってしまってあるのに、この森だけが取り残されているのは不思議といえば不思議でしたが……
27	森	森	その森のまん丸く重なり合った枝々の茂みが、草原の向うの青い青い空の下で、
27	枝	枝々の	その森のまん丸く重なり合った枝々の茂みが、草原の向うの青い青い空の下で、
28	森	森の	不規則な散開隊形を執って森の方へ行くのでしたが、
28	森	森	草の中をこけつまろびつしながら向うのまん丸い森の方へ逃げて行くのでした。
28	森	森	がて、その影がだんだんと小さくなって、森に近づいたと思うと
28	森	森	そのあとから十一名の下士卒が皆無事に森の中へ逃げ込みました。
28	森	森	すると又、リヤトニコフの姿が森の中へ消え入ってから十秒も経たないうちに……どうでしょう。
28	森	森	その森の中で突然に息苦しいほど激烈な銃声が起ったのです
30	森	森	なおも一心に森の方を見つめておりましたが、
30	森	森	森を出て行く人影らしいものは見えず、
30	森林	森林	その森林が、たまらない程恐しいものに思われて来ました。
30	森林	森林	一面にピカピカと光る青空の下で、緑色にまん丸く輝く森林……
30	森	森	眼が痛くなるほど凝視している森の周囲の青空に、
31	森	森	一生懸命に我慢しいしい森の方へ近づいて行きました
31	森	森	森の方へ近づいて行ったのか、その時の私には全くわかりませんでした。
31	森	森	どうしてそんな気味のわるい森の方へ匍はい寄って行く気持ちになったのか……。
31	森	森	自分の行く処はあの森の中にしかないというような気持ちで
31	木	木の梢	あの一番高い木の梢こずえから、真直ぐに、天国へ昇ることが出来るかもしれぬ
31	梢	木の梢	あの一番高い木の梢こずえから、真直ぐに、天国へ昇ることが出来るかもしれぬ
32	森	森	その途中で二発ばかり、軽い、遠い銃声らしいものが森の方向から聞こえましたから、
32	森	森	森の入口の柔らかい芝草の上に私が匍い上った時には、
32	森	森	この森は内部なかの方までかなり大きな樹が立ち並んでいるらしく
33	森	森	木の葉の摺すれ合う音すらきこえぬ静けさなのです
33	森	森	こうしてこの森の中には敵も味方も居ない…
33	森	森	妖怪おばけでも出て来そうな森の中へ、
33	森	森	一人も撃ち洩らさない計略を立てて、あの森に先廻りをしていた。
34	森	森	この森の中で待ち伏せしていた赤軍のために全滅させられている筈で、
35	森	森	この森には昔、砦でか、お寺か、何かがあったらしく、処々どころに四角い、大きな切石が横たわっていること。
35	落葉	落ち葉	落ち葉を踏み固めたところが連続していること。
35	森	森	味方の者は無事にこの森を出たかも知れない
35	森	森	はちょうど森のまん中あたりに在る、すこしばかりの凹地に来たことを知りました。
35	森	森	森の下枝ごしに四辺の原ッパが薄明るく見えるのです。
35	下枝	下枝	森の下枝ごしに四辺の原ッパが薄明るく見えるのです。
35	梢	木の梢	高い高い木の梢の間から、微(かす)かな星の光りが二ツ三ツ落ちて来ます。
36	木	木の幹	木の幹かと思われていた白いものをジッと見定めましたが、
36	幹	木の幹	木の幹かと思われていた白いものをジッと見定めましたが、
36	枯れ葉	枯れ葉	そこいらの枯れ葉と一緒にポツポツと燃えているうちにケースの中からガソリンが洩れ出したと見えて、
36	樹	樹の幹	私の居る凹地を取り捲いた巨大な樹の幹に、
36	幹	樹の幹	私の居る凹地を取り捲いた巨大な樹の幹に、
37	枯れ葉	枯れ葉	それ等がメラメラと燃え上る枯れ葉の光りの中で、
38	樹	樹	そこの一際大きな樹の幹に、リヤトニコフの屍体が引っかかって、
38	幹	幹	そこの一際大きな樹の幹に、リヤトニコフの屍体が引っかかって、
38	枯れ葉	枯れ葉	赤茶気た枯れ葉の焔にユラユラと照らされているのです。
38	森	森	彼女は、すこし後おくれて森に這入ったために生け捕りにされたものと見えます。
39	森	森	をあの森まで招き寄せたのです。