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小説と木

樹種「クワ」の素敵な文章

昭和初期ぐらいまではクワは一般の人に馴染んだ木でした。特に農家はクワを植えていて桑畑となっていたので、クワの木は大きくなる木という印象は持っていなかったと思う、当時はカイコが食べるだめに葉を利用していた。カイコは絹の元であり、国が推奨していた。当時は海外への重要な輸出品は絹であつた。
すべての小説での出現ランクは12番目ですが、作家の取り上げは13番目でした。 クワの名前を小説に入れた作家は30名います。また1つ以上クワの名前を使った小説としては55の小説でした。
すべての小説での出現回数は189箇所ありました。
クワが一番出現する小説は長塚節の土です。

最も出現回数の多い作家は島崎藤村で39箇所、 次は長塚節で28箇所です。
以下、山本周五郎の18箇所、宮沢賢治の13箇所、水上勉の11箇所、鈴木三重吉の8箇所、田山花袋の8箇所、谷崎潤一郎の6箇所、堀辰雄の6箇所、北杜夫の5箇所、井伏鱒二の5箇所 でした。(以下省略)

また小説別では、*長塚節の「土」28箇所、島崎藤村の「千曲川のスケッチ」24箇所、山本周五郎の「桑の木物語」15箇所、田山花袋の「田舎教師」8箇所、鈴木三重吉の「桑の実」8箇所、水上勉の「越前竹人形」6箇所、谷崎潤一郎の「吉野葛」6箇所、島崎藤村の「夜明け前」6箇所、井伏鱒二の「黒い雨」5箇所、島崎藤村の「破戒」5箇所、北杜夫の「楡家の人びと」5箇所、佐藤春夫の「田園の憂鬱」4箇所、山本有三の「真実一路」4箇所、堀辰雄の「菜穂子」4箇所、柳田国男の「犬頭糸」4箇所、 でした。(以下省略)

以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。クワに関する情報と写真はコチラ

幸田露伴の「五重塔」
面白い話といふも桑門(よすてびと)の老僧(わし) 等には左様沢山無いものながら、(33頁)
田山花袋の「田舎教師」
垣の外にいたずらにのびた桑の広葉がガサガサと夜風になびく。(263頁)
島崎藤村の「千曲川のスケッチ」
枯々とした桑畠に茶褐色に残った霜葉なぞも左右に吹き靡(なび)いていた。(88頁)
桑の葉は忽(たちま)ち縮み上がってって焼け焦げたように成る、(86頁)
長塚節の「土」
紙捻(こより)を植えたような桑畑の乾燥しきった輕鬆(けいしょう)な土が黄褐色くな霧の中へ吹つ立つて行くのが見える。(309頁)
芥川竜之介の「邪宗門」
今も爺の申した通り、この狭い洛中でさえ、桑海の変は度々あった。(122頁)
宮沢賢治の「えい木偶のばう」
かげろふに足をさらはれ 桑の枝にひっからまられながら しゃちほこばって おれの仕事を見てやがる(207頁)
小林多喜二の「蟹工船」
まるで蚕に食われている桑の葉のように、俺達の身体がるんだ」(115頁)
堀辰雄の「菜穂子」
そのとき漸(ようや)く森が切れて、枯れ枯れな桑畑の向うに、火の山裾に半ば傾いた村の全体が見え出した。(138頁)
堀辰雄の「楡の家」
途中で、桑の葉を重たそうに背負ってくる、汚れた顔をした若い娘たちと幾人もすれちがいながら、(17頁)
クワの木 クワの葉

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