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先人の知恵で森林破壊に歯止め

・読売新聞 2008/10/10
森を敬う文化はアジア各地にあり、ネパールからブータン、中国中南部を経て、西日本まで続く照葉樹林帯を形成している。その文化や習俗の共通点を見つけ、民族植物学者、中尾佐助は「照葉樹林文化」と名付けた。アジア各地を調査した、国立民族学博物館の佐々木名誉教授は「照葉樹文化の底流にあるのは伝統的焼き畑農耕だ。そこに共通するのは、神々が支配する森林を借り、耕作の後に再び神に戻すという考え方。水田農業にも里山の多様な自然と共存する知恵が生きている。」と指摘する。例えば、暮らしの基本が焼畑や水田農業である、ネパール西部のナンギ村は、人口増による、薪炭材の需要増で森林破壊が進む風景の中、「デウタ」という神が住むと村人が信じる森には、泉が湧き出し、照葉樹林が広がっている。日本では、奈良の春日大社の裏手に控える御神体「御蓋山」を取り囲み、地元の人が「神の山」と慕う「春日山原始林」が広がり、照葉樹の森がある。春日大社の禰宜(ねぎ)の今井氏によると、原生林一帯は古都奈良の水源であったという。先人たちが、森を守ろうとした背景には、水がカギを握るとの見方が有力だとされる。先人の知恵により、照葉樹は守られた。先人の知恵に学ぶ点は少なくない。

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