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紙をつくる森

・読売新 聞2006/12/20
持続可能な社会のあり方を学ぶ環境教育プロジェクト「ずっと地球と生きる」の出前授業が11月14日、28日に千葉県柏市の市立旭小学校で行われた。これは「国連・持続可能な開発のための教育の10年」計画の一環。「紙を通して私たちの生活を見つめよう」というテーマで日本製紙社員やユネスコ協会連盟職員が講師を務めた。日本製紙社員の授業では紙のリサイクルについての実験する授業を行い、その次に原料は木と古紙のどちらが良いのかという授業を行った。木製の紙は真っ白に対し、古紙製はねずみ色をしている。古紙からインクを取り除くのは難しく、古紙で白い紙を作ろうとすると大量の漂白剤が必要となってしまうため、真っ白な紙を作るには木の方が適しているといえる。しかし、すべての紙を木製にするとどのような問題点があるかと授業を受けている子供たちに質問を投げかけると「切る木が増えてなくなってしまう」「ごみが増えてしまう」と次々と答えが挙がった。他の問題点として焼却施設や埋立地の問題について日本製紙の社員が付け加えた。環境省によると国内の家庭や事業所などから出るごみ(一般廃棄物)の年間排出量は5059万トン(2004年度)で、東京ドーム136杯分にあたる。一般廃棄物のうち940万トンはリサイクルとされているが残りは粉砕・焼却などして809万トンまで減量してから埋め立てられる。しかし、国内の埋立地は民営を含め211箇所しかなく、このペースでごみが出続ければあと16年で満杯になってしまうとされる。では、反対にすべての紙を古紙で作った場合、薬品で紙を分解したり、熱で乾燥させたりすることを繰り返すことにより繊維が傷み、出来上がった紙は破れやすくなってしまう。つまり、リサイクルにも限度があるという問題がある。環境省では廃棄物処理法に基づいてごみの減量化やリサイクル率の向上を呼びかけている。日本ユネスコ協会連盟職員による授業は、紙の消費量についてであった。日本人1人あたりの紙の消費量は年間246.5キロに対し、インドでは6.5キロ(日本製紙連合会調査)である。トイレットペーパーに換算すると日本は1898個に対し、インドは50個となる。授業ではトイレットペーパー1個を実際の100個分として積み上げ、日本とインドの差を表現、子供たちからは驚きの声があがった。授業は紙の原料となる木や森にテーマが移った。子供たちは焼畑や木材輸出のための伐採で1秒につきサッカー場1面分の森がなくなっていること。森は雨水を蓄えるだけでなく二酸化炭素を吸収し、地球温暖化防止にも役立っていること。さらに多くの生き物が暮らしていることを学び、その森がなくなった場合の影響についても学習した。授業の最後には「森を守るためにできることは何か」と班ごとに話し合い、子供たちからは「紙を最後まで使い切る。裏にも書くようにする」「自分たちで植物を植えて大事に育てる」などそれぞれの意見を発表した。

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