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木枠の家

・朝日新聞  2006/8/17
1995年の阪神大震災で多くの古い木造住宅や文化住宅が倒壊したのを教訓に、ゼネコン「鴻池組」に勤める一級建築士、樫原健一さんと、小林正美・京都大教授らが、まったく新しい木造住宅の工法を考え出した。従来の柱と柱をつなぐ軸組工法では、地震の際に接合部に力が集中してかかってしまうという弱点があり、また壁と床で箱形の建物をつくるツーバイフォーも、やはり壁と壁の接合部に力が集中してしまう。しかし今回開発された「j・Pod(ジェイ・ポッド)」工法は、細い木材を一辺約3メートルのロの字型に組み木枠をつくり、木枠の四隅を鋼板などで補強するうえ、蛇腹のような柔構造で耐震性に優れている。この木枠を45センチ間隔で縦に並べて繋ぎ、直方体のユニットをつくると、3ユニット連結させれば、仮設住宅に、6ユニットなら小規模な住宅になる。またこの木枠は太い柱を使うわけではなく、小口径の板材でつくるため、樹齢35~45年のスギ、ヒノキの間伐材を使用できる。間伐材の利用が増えることにより、外国産材に押され荒廃している山に人が入り森林保全にも繋がる事などから、自治体や民間業者、建築家らの注目を集めている。昨春京大構内に完成したモデルハウスには国内外から視察が相次いでいる。また各地で新工法を使った具体的な建設計画が進んでおり、兵庫県では姫路市の築35年の県営住宅20戸を県産の間伐材を使用して、新工法で立て直すことを決めた。京都では既存の京町屋の一部に木枠をいれ、6畳の耐震シェルターをつくる計画も進んでいる。また樫原さんの知人で大阪市中央区の建築家菅家克子さんはj・Pod8個を使った2階建ての一般の一戸建て住宅を設計中である。京大は4月中旬に約100平方メートルの留学生用セミナーハウスも完成させ、これからは地震に強い次世代木造住宅として、提案を広げる方針である。

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