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森林を油田に

・日本経済新聞 2006/6/25
昨年6月、岡山県真庭市に三井造船と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が三井造船真庭バイオエタノール実証プラントを建設した。国内唯一の木くずからエタノールなどのアルコールをつくる施設だ。セルロースは糖が鎖状に長く連なった分子構造で、木くず成分のほとんどを占めている。酸素はこの鎖状になった糖をばらばらのにすることができる。工場では、まず硫酸でヒノキの木くずを処理し、酸素の入ったタンク内で分解し、できた糖は別のタンクで酵母を混ぜ、発行させアルコールに変える。約4日間で230キログラムのエタノールが、乾燥重量1トンの木くずからつくられる。エタノールはガソリンに混ぜ、自動車の燃料に使用されている。燃料として燃やし二酸化炭素を排出しても、もともとセルロースをつくる際に植物が吸収していた二酸化炭素なので、地球温暖化への影響も少ない。植物資源は大きく分けて2つあり、現在燃料化が盛んなものは、トウモロコシの実などの最初から、でんぷんなど発酵が容易な等分として採取される部分を使う方法、もう1つは、トウモロコシの軸、茎、葉、木くず、稲わら、紙くず、雑草などに含まれるセルロースを使う方法。セルロースも糖の一種であるが、丈夫なため発酵が難しいので、まず発酵しやすい糖に分解しなくてはならない。ヤギが紙のセルロースを糖に変えて消化できるのは、胃の中にセルロース分解酵素を放出する微生物を住まわせているからである。この事をヒントにし、低エネルギーで分解する技術を考え出した。現在世界最大規模の工場を持つのはカナダであり、注目しているのは日本だけではない。日本でもセルロースを利用する技術は確立しつつあるが、原料をいかに安定し安く供給するかが今後の課題である。

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