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間伐材の木炭、海草育てる

・日本経済新聞  2005/4/1
全国の海岸では海草が育たなくなる「いそ焼け」と呼ばれる現象が相次ぐ。護岸工事などの絵一驚で陸地の養分が海中に循環しなくなり起こるとみられている。この「いそ焼け」を山から海へ資源を循環させることで環境を再生させようという目的で、三陸海岸南端の広田湾(岩手県陸前高田市)では、間伐材をつくった木炭を使い、海草を増やす実証実験が始まった。1月下旬、広田漁港に浮かぶ特殊ブロックが次々と運び込まれた。このブロックは木炭の粉を固めた板をサンドイッチ状にしたもので、「アラメ」と呼ぶ海草が結び付けられている。最初の1年はウに等に食べつくされないように湾内のはえ縄に係留。長さ70センチ程に育った後、沖合の海底に移し、ウニやアワビのエサ場となる「海中林」をつくる。この実証実験はNPO法人のいわて銀河系環境ネットワークが広田湾漁業協同組合や岩手県工業技術センターと組んではじめた。周辺は漁業のほか、林業や養鶏も盛んである。実験用のブロックは海草に養分を補給するため、炭かさせた鶏ふんを添加されている。「間伐材や鶏ふんなど、この地域で余っている潜在的な資源をうまく活用できないかというのがこのプロジェクトの狙い」と銀河系環境ネット会長で東北大学の両角和夫教授は説明する。また、両角教授が広田湾を実験場所に選んだ理由は広田湾漁協が20年ほど前からアワビを育てるためコンクリートブロックを使ったアラメ増殖事業を手がけるなど、豊富な海草増殖のノウハウに目をつけたためだ。同漁協の清水幸男参事は「海のことだから、やってみないとわからないが、山と海をつなげるという両角教授の理念に賛同し協力を決めた」と話す。陸前高田市森林組合の佐々木英一組合長も「間伐材の新たな出口ができれば森林保全に役立つ」と山の立場からの期待を語る。

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