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被災海岸は混交で再生

・朝日新聞 2012/10/10

海岸林といえばマツが代表的である。栄養の乏しい場所でも育ちやすく、塩害にもつい良い。古くから海岸沿いにはえており、防潮林として江戸時代から利用が進められていた。昔は松葉を集め燃料としても利用され、自然とマツ林が維持される状況であったが、現代では利用される事もなく。松葉かきの必要性がある。また、同じ樹種ばかり植えていると病虫害に弱くなる。近年発生しているマツクイムシの被害によりマツ林は危機的状況にある。この問題に対して林野庁は「海岸防災林の再生に関する検討会」おいて、「海岸は地域に適した海浜性低木と高木としてクロマツ、内陸側は防風効果を高めるために背の高い広葉樹を導入する」という提言をまとめた。これにより北海道工業大学の岡村教授が進める「生態学的混播・混植法」が注目を集める。今年の9月にも十勝川支流の音更町立木野東小学校がこの手法におって植樹を行った。近くの森で種子を集め、1~2年かけて苗に育てる。帯広河川事務所には16種類ほどの樹種があり、その中から7種ほどを選ぶ。植林後は、じゃりを敷き詰めて雑草の侵入を防ぐ。何ををどこに植えたかの記録取るが、その後は自然に任せる。苗がそれぞれのペースで成長し、30年後には1本、2本 の太い樹木が自然と残る。すでに4万本近い苗が、十津川村水系の堤防に植えられている。10年が経過した場所には生物多様性に富んだ混交林ができている。岡村さんは「自然の森のでき方研究所からたどり着いたたのがこの方法。北海道のような積雪寒冷地で成功しているので、東北の被災地にも適用できると思う」と岡村さんはいう。また、地域の住民を巻き込み、追跡調査を続けて記録とるシステム全体をかつようしてほしいと提案する。東日本大震災の被災地の海岸では、まずは地盤整備をしなければならず。植林はまだこれからである。しかし、早めに整備が進んだ仙台市荒浜地区の海岸がまずは国有林再生で行われる。林野庁にはすでに「協力したい」というと言わせがを超す団体・組織から来ており、来月にも実施方法を高尿する予定である。海岸沿いは植物には過酷な環境のため、植林がかならず成功するとは限らない。そのため、林野庁では植林後も一定期間の世話をするように求める方針である。

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