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百年の森林構想no.2

・読売新聞 2012/6/19

岡山県西粟倉村では「百年の森林(もり)構想」が進められて、その一環としてIターンの受け入れが進められている。森に夢をかける仕事が輝いて見えたという松島優子さんは横浜出身。東京農大卒業後に神奈川県職員となるが、林業の専門誌で西粟倉村の木製品加工会社「木薫」を知りIターンをした。役場では産業 観光課で、担当は森林整備。間伐をすすめる森の計画を立案。森の所有者から一括管理の契約を取りける交渉を担っている。 村の山林は1960年台という木材需要が高い時期に村持地を村民に払い下げ、植林されてきた。しかし、国産材は外材に押されて価格は下落。林業を続ける人は減った。百年の森林構想では、村ぐるみであと50年がんばろう。そして美しい百年の森林に囲まれた上質な田舎を実現していこう。という信念の元。私有林への10年一括管理委託募っている。4月中順には「西粟倉・森の学校」と村が共同で、私有林の所有者向けに「新しい森林作り発見ツアー」も開催された。 森の再生の構想に賛同し新たな行動をおこした村民もいる。国里哲也さんは森林組合員だったが、村の再生の議論に加わるうちに「疲弊した山と都会を直結し、木の魅力を伝えたい」と2006年に組合を退職。木材加工会社「木薫」を設立した。「子供の安心安全を考えた製品」として机やロッカー屋外遊具などを幼稚や保育園などに納品している。村が進めるIターン、木製加工会社「木薫」によって新たな出会いも生まれた。Iターンで産業観光課に就職した松島優子さんは木薫に務める横江孝雄さん(神戸出身)と7月に結婚式をあげる。また、大島正幸さんは「村人の暖かさが好きだ」とIターンで09年に岐阜より移ってきた。女性従業員も熊本や広島からのIターンである。小松隆人さんは村で生まれ育った。家具用の材木を購入する森林を所収する延東義太さんと山に一緒に入った時だった。延東さんは「せっかく大きく育てたのに切る切れない。こいつは必要とされないんだ」と85年のヒノキを指して嘆いた。村人の胸の内に触れたと感じた。大島さんはこの村で生き抜くと決めた。大島さんは「村に愛着をもって」と5月にバーベキュー会を呼びかけ、会にはIターン者を含め20人が参加。盛り上がった。 「百年の森林構想」は確かに確実に進みつつ。森や村に活気を呼び込んでいる。

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