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桧皮枯渇の危機

・読売新聞 2012/3/2

島根県出雲市にある出雲大社は「平成の大遷宮」として60年に1度の大改修を行っている。2月までに国宝である本殿の大屋根の檜皮が葺き替えられた。この大遷宮は 2008年から始まり2013年5月に完了予定である。大屋根は約600平方メートルで64万枚もの檜皮を使用し、厚さ最大91センチ、総重量は計46.9トンに及ぶ。和歌山県の樹齢90~100年のヒノキから集めたという。年々良質な檜皮が採れる高樹齢のヒノキが減少し、檜皮屋根の建造物の葺き替えに必要な大量の檜皮をどう確保していくかと課題になっている。大改修を請け負った児島工務店の児島研輔社長は「今は何とか足りているが将来、枯渇しないか心配だ。本殿の後も修復は続く。気を引き締めねば」と語る。1200年以上の歴史を持つ我が国独特の建築様式である檜皮葺きは、全国に約3000棟あるという。「大きな寺社の修復がある年は全国的に不足する。安定的な供給計画を立てるべきだ」と伊藤延男・東京文化財研究所名誉研究員は話す。そんななか、出雲大社は4月に信者から奉納された広島県三次市の約3.6ヘクタールの山林にヒノキの幼木を9000本植林し、120年後の次々回以降の大遷宮を見据えた取り組みを始める。約10年ほど前から各地の国有林で檜皮が採取できるよう国と「全国社寺等屋根工事技術保存会」は協定を結んでいる。「60年に1度の大遷宮は人々の心の一新をも目指す『蘇り』の祭事」と出雲大社御遷宮奉賛部は語る。次代に優美な大屋根をよみがえらせるためには、今から「檜皮の森」を整備する必要がある。

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