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油田開発と自然破壊

・朝日新聞 2011/11/5

エクアドルの石油埋蔵量の約2割を占める大油田が、アマゾンの最上流部、エクアドル東部のペルーとの国境付近のヤニス国立公園にある。生物の宝庫であるこの森には、哺乳類約200種、鳥類約600種、爬虫類約150種、樹木約2700種が存在すると米科学誌で報告された。国連開発計画(UNDP)にこの森を石油開発から守る基金が昨年で きた。国際社会が開発で得られる収入の半分である資金を提供する代わりに、エクアドルが開発を放棄するとのこである。「温暖化交渉をめぐる途上国と先進国の対立の 突破口になりうる提案だと考えた」と当時、計画の顧問委員会の委員だったカカバッセ世界自然保護基金総裁は話す。国内で森林保護などを目的とし13年間で36億ドル (約2815億円)を集める予定だが、年末までに必要な1億ドル(約78億円)が集まっておらず、昨年コレア大統領は協力を求めたが日本は応じていない。「国の主権」を盾に コレア大統領は、基金が集まらなければ石油開発を始めると昨年表明した。「大統領の国際社会を脅かすようなやり方はかえって不信を強める」と地元選出の国会議員オ レリャナ氏は批判する。石油開発に反対する人が多く、世論調査でも7~8割がヤニスITT計画を支持する。計画を担当するエスピノサ遺産調整大臣は「石油開発に着手す るには国会承認と国民投票が必要になるが、最後は大統領の決断だ」と語った。

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