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桧皮の技

・日本経済新聞 2011/10/18

奈良市中心部の東に位置する御蓋(みかさ)山。この山の麓にたたずむ春日大社で、「着到(ちゃくとう)殿」の屋根の葺き替え工事が今月20日まで公開されている。20年ごとに建物を全面改修する「式年造替(しきねんぞうたい)」の一環で、ヒノキの樹皮を敷きつめた日本独自の工法「檜皮葺(ひわだぶき)」は圧巻である。着到殿は平安時 代に建立、焼失後、室町時代の1413年に再建された。式年造替は約1200年の歴史があり、今回が第60次。20年ごとに改修をする理由として、教化部の秋田真吾主事は「建 物の傷みももちろんですが、この間隔は職人が親から子、孫へと建築技術を伝えていく意味も大きいのでは」とみている。広さ300平方メートルにおよぶ屋根には「葺き 師」と呼ばれる職人が竹クギを目にも止まらぬ速さで1本ずつ軽快に打ち付けていく。用いる檜皮は約17万枚。主に兵庫県丹波市で取ったもので、樹齢100年超えの立木から10年おきにしか取れず、供給不足で文化財の改修が遅れることもあるという。この事実を受け、林野庁は社寺改修に檜皮を提供する「檜皮採取対象林」として9府県278ヘクタールを指定した。しかし、それでもなお必要量の6割しか確保できていないのだという。同庁の竹井正治氏は「木は文化を支える存在と認識し、長い目で貴重な建築文化を支えていかなければならない」と語っている。

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