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最古の建材

・産経新聞 2010/8/14

飛鳥時代初期の586年ごろに伐採されたヒノキが奈良市中院町、元興寺の禅室(国宝)に使われていることが、総合地球環境学研究所の光谷教授らの調査で判明した。このことは世界で最も古い木造建築といわれる法隆寺(7世紀末~8世紀)を約100年さかのぼり、世界最古の「現役」の木造建築部材ということである。元興寺は国内初の仏教寺院・飛鳥寺を前身とし、710年の平城遷都に伴って平城京内に移された。奈良時代の718年に建立が始まり、建物は新築とされてきたが、少なくとも禅室は飛鳥寺からの移築だった可能性が高まったことになる。禅室は東西26.8メートル、南北12.8メートル、高さ8.4メートルの細長い木造平屋建てであり、僧侶らの住居「僧坊」として使われ、後世には修行の場を兼ねていた。光谷教授は奈良文化財研究所の発掘技術研究室長だった2000年、終戦前後の修理で禅室から取り外された部材の年輪を調査し、582年ごろの伐採を示す部材を見つけ、現在使われている部材にも同時代のものがあるとみて、2007年にデジタルカメラで屋根裏の部材の年輪などを撮影し、年代の判明しているデータと比較して割り出す年輪年代法に基づき画像をコンピューター解析した。結果、複数の柱の上部に水平方向に渡した「頭貫」で最も外側の年輪が586年を示したのである。飛鳥寺の正確な建立年は不明で、590年に用材を伐採したことが日本書紀に記され、飛鳥寺の部材が禅室に再利用されたとみられる。光谷教授は「国内初の寺院の部材がいまだに健在なのは、加工しやすく耐久性に優れたヒノキだったから。日本の文化を象徴する建物として、禅室は貴重だ」と話している。

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