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古木・巨木の寿命

・日本経済新聞 2010/3/27

古木や巨木の寿命はどの程度あり、どうして倒れてしまうのか。また東京農工大学FSセンターの渡辺直明・自然環境分野長は「外観では樹齢はわかりにくい。過大に見られていることが多い」と話す。千葉県鴨川市で樹齢千年程度とみられていたスギの巨木が倒れたとき、年輪を見ると約280年だったこともあるという。 イチョウやスギは病気になったり虫がついたりしにくく、マツなどに比べ寿命は長い。それでも古木や巨木で幹の内部に空洞などがない健康な木はほとんどない。倒木を調べると、木の半径に対して健康な部分の厚さの比率が3割を切っているという。だがこの比率を切っても立っている巨木や大木も多く、空洞が広がってもすぐに倒れるわけではない。環境省などのデータベースに収録された巨木は68000本。地上1.3メートルの位置で幹の周囲が3メートル以上の木を巨木と定義している。巨木や古木は神社や寺院に多い。周りに競争相手がなく広いスペースを独り占めできるために大きく育つようである。「1本だけ孤立した木は下の幹が太くて樹高も 高くならない。風の力も受けにくく長寿になりやすい」と渡辺分野長はみる。秒速30メートル超の強風が吹くと健康な木でも倒れることがあるが、それ以外では根が傷んで倒れることが多い。老木は腐朽菌に浸され根が腐って倒れる場合がほとんどだが、原因は人間が作っていることも少なくない。木の根は、枝の広がりの一番外側の下の地中にある部分で養分や水分をもっとも吸収する。根元から離れているため、工事などで気づかずに傷めていることも多い。建物などにぶつかり、根の広がりが一方向だけ止まっても倒れやすくなる。周囲の盛り土も根が深くなりすぎて悪影響が出る。一方、少し離れたところに林があると、巨木は風だけでなく雷の被害も受けにくくなる。鎮守の森がそうした役割を果たすともいえ、地域の環境全体を保護することが巨木の寿命も延ばすことになる。

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