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紅葉名所の荒廃

・産経新聞 2010/11/24

京都市右京区の世界遺産・龍安寺境内から北に広がる朱山を望むと、例年なら鮮やかな黄色に染まるはずの山の山頂付近に、害虫の被害で赤茶色に枯れたナラやブナが目立つ。京都市が9~10月に調べたところ、198本の枯死を確認され、周辺でも約1千本の被害が出ているという。ナラ枯れした木は、市が補助金を出して伐採する予定だが、対策は追いついていない。寺の事務長の岩田晃治さんは「景観を損ねるので、被害が広がる前に何とか対処したい」と話す。京都を囲む東山、北山、西山での今年度のナラ枯れ被害は昨年度の5倍、推計で2万本にのぼっている。すべての伐採は不可能なため、人家や道路に倒れる危険がある木を優先的に処理している。また、自衛で下鴨神社は今春、境内の「糺の森」で100本以上のナラ枯れを確認したので、来春までにブナ科の約千本にビニールを巻き付け、被害拡大を防ぐようにしている。平安神宮でも被害を確認し、薬剤散布して幹にビニールを巻くなどの対策を進めている。紅葉シーズンで観光客が詰めかける嵐山国有林では近年、常緑樹が植生を広げて森林内の日当たりが悪くなり、カエデやサクラの若木が育たなくなった。ナラ枯れも拡大し、今年度の被害は83本で昨年度の10倍超となった。林野庁京都大阪森林管理事務所は管理方法の見直しに着手。住民との意見交換会も設け、ヤマザクラの維持やカエデの世代交代を目的とする管理方針を作った。モミジなどを植樹する際には、高齢の木を伐採して日当たりの良い場所を確保し、若木の成長を促すようにした。大阪府の紅葉の名所・箕面公園でも今年から、常緑樹の伐採やモミジ苗木の育成に乗り出した。公園の指定管理者の造園会社などが昨年度、園内2カ所で滝道沿いの常緑樹を伐採したところ、近くのヤマザクラの日当たりも良くなった。今秋からは、近くの住民がモミジの苗を育てる試みも始め、順調に育てば山に返す予定である。

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