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森と狩人

・毎日新聞 2009/3/25

台湾東部・台東県太麻里郷の新香蘭集落にはパイワン族が暮らしてくる。このパイワン族にとって神聖な森を通過する道路の計画が浮上した。この事態にアーロンロン・サキヌさんが立ち上がった。サキヌさんは映画「賢き狩人」に本人約で主演。集落に計画を推進するエリート官僚を招いて、民族の文化、伝統の意味を紹介することで計画撤回を求めるストーリーである。また、サキヌさんは森林警察官でもあり、盗伐などを取り締まっている。「職業は警察官でも転職は狩人。森は私の家。出勤は帰宅と同」と語る。幼いころから狩人である父に連れられ、森で狩りをしながら教わったという。父から受けついだ狩りの方法、自然との向き合う姿勢を次の世代へと伝えようと、サキヌさんは04年にハンター学校を開校。夏休みの小学生が参加している。サキヌさんは、森は知恵の宝庫。経験しながら学び取って行くという。しかし、台湾社会では漢民族の基準が優先されがちである。先住民族の大地に根ざした文化や知恵は、近代化の波により消失の危機にさらされている。

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