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伊達政宗の森

・産経新聞 2009/3/23

仙台市の中心から西へ4キロほど西に青葉山がある。その山には「東北大学自然園」が存在する。広葉樹のコナラやブナ。北国の気象な植物であるカタクリなどが自生している。森の保護の歴史は約400年ほど遡る、当時の藩主である伊達正宗が仙台城築城の際に、水源確保と裏手の防備を固めるために「御裏林」と定め、伐採や一般の立ち入りを禁じたことが始まりとされている。明治に入ると管轄は陸軍に移り、戦後には東北大に売った。そして、1972年(昭和47年)には国の天然記念物にも指定された。特徴は自生種の多さである約50万平方メートルの中に830種以上の植物が自生している。隣の仙台市有林「青葉の森」であっても自生種は460である。植物園園長の鈴木三男教授は植物種の多さは森の「成熟度」を表しているという。しかし最近、この森には本来は自生しない南方特有の植物が急激に増え始めている。「常緑植物がほとんど育たないはずの東北の自然貢献でヤツデやヒイラギナンテン、シュロといった南の植物がぐんぐんと成長している。異様な事だとは思いませんか」と鈴木教授は語る。南方の植物が東北で芽吹くことは珍しいことではない。しかし、多くは冬を越せずに枯れてしまう。しかし、最近は冬を越えてしまうのが現われてきた。これまでに確認された中で一番大きいヤツデは3メートル近くまで育っているという。ヒイラギナンテンでも2m以上に成長。シュロは土壌が凍結するとすぐに枯れるのだが、1メートルほどに育ったケースもある。植物園ではシュロ、ヒイラギナンテン、ヤツデの3種の繁殖状況を重点的に調査に乗り出した。「強い南方の植物が増え、東北ならではの植物が減るのは不本意です。しかし、この研究施設のモットーは『自然の状態で森を残す』こと。温暖化で森が変わるとしても、それを見守ることが、この森を預かる者の使命なのです」と鈴木さんは語る。

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