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個人林家の存在

・毎日新聞 2009/3/11

日本は国土の7割が森林が占める緑の島である。しかし、国内で利用される木材の8割は輸入に頼っている。このいびつな構造は戦後までさかのぼる。当時、復興のために大量の木が伐採された。木材は供給不足となり、国は針葉樹の杉などを中心とした「拡大造林」を進めた。しかし、輸入の自由化により安い外材が流れ込んだ。それにつられて国産材の価格は低下する一方である。林業は採算に合わないようになり、1965年に25万人以上いた就業者も、現在では約5万にんとなった。一方、放置された森林は荒廃が進んでいる。。森が健全であるには間伐がかかせない。木々の生長にあわせて間引きをすることで、林内に光がさしこみ、木々がより成長し、下草が育つ。木々から落ちた落ち葉は腐葉土となり森の保水力となる。そのような状況で、個人で森を守る個人林家の存在が見直されつつある。「山の時代がいつかは来ると思っていた。無駄なことはしてないはずや」と四国の水がめ・早明浦ダム沿いにある森を見上げ浜口幸弘さんは語る。消防署に勤務していたが、合間をぬって森を手入れし続けた。1ヘクタール当たり約3000千本あった木々は、間伐によって徐々に絞り込まれた。現在では300本の大木に育った。しかし、大木が育つまでは間伐材で収入を得なければならない。杉丸太の価格 は、一万円前後に落ちている。これは、30年前の価格の3分の1程度だる。消防署勤めの給与がなければ生活できなかったと振り返る。森林ボランティア「NPO法人 土佐の森・救援隊」事務局長の中嶋健造さんは「個人林家は頻繁な作業で水資涵養機能などを発揮する本当の森づくりをしている。山主が自ら森林を管理できる時代に戻せたら森は画期的に良くなる」と訴える。救援隊では山主を林家に育てるための技術支援をしており、林家を始める人 も出てきている。また、仁淀川町では木質バイオマス発電の燃料に建築材としても利用できない間伐材の端材を使い成果を上げている。この事業にも救援隊がかかわり、1トンの木材を3000円で換金する仕組みを作り上げた。月に20万延の収入を得る人も出てきた。さらに高知県では09年度、副業型林家の育成や木材搬出への補助を新たに予算化し、個人林家への支援を打ち出した。「過疎高齢化が進む山村集落でも、収入を得て暮らし続けられるための支援」と同県森林部は位置づけている。

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