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マタギたちの今no.2

・読売新聞 2009/2/17

秋田県に山あいの里、旧阿仁町一帯では古くから山での狩猟や林業などで生計を立ててきた。根子、比立内、打当はマタギの発祥地と呼ばれ、山仕事で北日本各地へ出かけてはその技術を広く伝えてきた。伝統的に4~5月にかけて、ツキノワグマの狩猟は行われてきた。その時期のツキノワグマは冬眠明けで毛づきもよく、熊の胆(い)の胆汁は漢方薬とされ珍重されることから商品価値も高い。積雪期はクマの冬眠時期となり、母グマの出産、子育ての時期でもある。そのため、冬眠中のクマを狙う穴グマ猟は多くの地区で自主規制されている。しかし、鳥獣保護法(狩猟法)では11月15日から2月15日までが猟期と定めらている。それでも、有害獣の事前駆除として、冬眠明けの春クマ猟は自治体の許可、頭数の制限などを受けながらも行われてきた。ところが、自然保護の声に押される形で秋田県では2005年から春クマ猟を禁止。生息数調査が継続されている。一方で、2006年度はクマが里に下りるケースが全国で報告されており、150人が死傷している。そして、仕掛けた罠によって5185頭ものクマが捕獲、そして大半が殺されている。古くから山と共生してきたマタギの猟は禁止され、一方で熊の脅威が叫ばれ罠で殺されてゆく。阿仁マタギのシカリ(頭)である松橋吉太郎(75)さんは「マタギというと、クマうちのイメージばかりあるけれど、山を歩き、山を知り尽くした山の管理人です。」そのマタギの伝統が失われてしまえば「山は死にます」と語る。クマ猟が大きく制限され、さらに時代の移り変わりにより専業のマタギはほとんど消えた。多くは会社が休みである休日のみ山に入る。1970年代までには比立内地区で50人もいた鉄砲打ちのマタギは20人を下回っている。山と共に生きてきたマタギのシカリは「自然の恵みを減らさず、増えすぎを防ぐ。調整役としてのマタギの存在をもっと見てほしい」とため息をつく。

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