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ふじの花咲じいさん

・朝日新聞 2009/2/6

「平成の花咲かじいさん」と呼ばれる人がいた。大阪府泉南市の熊野街道沿いにある自宅は、4月になると一般に開放される。庭からは藤の香りがただよう。幅30メートル、奥行き27メートルもの藤棚があり、数にして約4万の花房を付ける。かけられたはしごを登り屋上から見れば、花が紫の海のよう咲く。育てたのは梶本昌弘さん。87年に妻の幸代さんが生け花用にもらった藤の株を庭に植えたのが始まり。藤の花言葉は「あなたを歓迎します」。その言葉通り、梶本さんは11年前から自宅を開放するようになった。見ごろの1週間で、約3万人もの人が訪れる。梶本昌弘さんは農家に生まれ、1951年に小学校の助教論となり、2つの小学校で校長も務めた。2004年に肺がんとわかり、病身では藤の世話は難しいと切ろうとも考えた。だが、藤棚を楽しみとする人々のため、街おこし団体事務局長である森広浩充さんに保存会作りを依頼。2006年には地元住民の協力により会が結成された。6時間もの手術をやり遂げ、抗がん剤治療を始め、一旦は退院した。しかし、がんは再発。昨年11月に入院。亡くなる15日前、森広さんが訪れた際、声が出ないため、ボールペンでメモ用紙に「藤 全部おまかせ 自由に伸び伸びと夢を広げて下さい」と書いた。森広さんは「先生の遺志を引き継いでいきます」と故人をしのんだ。

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